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Virusロドプシンに関する論文がPNAS誌に掲載されました!

論文 2019.9.3
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本研究は、大気海洋研究所、モントレーベイ水族館、ハワイ大学との国際共同研究による成果です!

数多くの手法を組み合わせた本研究では、まず、シングルセルメタゲノミクスにより、外洋のウイルスとして最大のゲノムサイズを持ち、かつ、海洋性巨大ウイルスの宿主として良く知られる藻類ではなく襟鞭毛虫に感染するミミウイルス科の巨大ウイルスを発見しました。さらに、このウイルスゲノムにもコードされているウイルス型ロドプシンについて、X線結晶構造解析によって分子構造を詳細に解明するとともに、実際に細胞で発現させると光感受性プロトンポンプ活性を持つことを明らかにしました。このことは、ウイルスがロドプシン遺伝子を感染時に持ち込むことで、宿主生物に光利用能力を新たに"インストール"するという巧みな戦略を取っていることを示唆しています。ウイルス型ロドプシンは海洋メタゲノムデータに広く見られることから、こうした「宿主生物への光利用能力の付与」は、巨大ウイルスの生態や進化において本質的な役割を果たしていると考えられます。

https://www.pnas.org/content/116/41/20574