海洋微生物生態を理解するには「どこに、どの種類の微生物がいて、何をしているのか（どんなゲノムを持つのか）？」を知ることは非常に重要です。

＊他のマクロな生物と異なり、ミクロな生物はどんな種が海にいるのかもまだよく分かってないのです。

本研究では、メタゲノムデータを用いて個々の微生物ゲノム（MAG: Metagenome-Assembled Genome）を精度良く解読する手法を開発しました！さらにこの手法を用いて、大規模メタゲノムデータ（約29兆塩基対）を解析し、世界最大の海洋生物ゲノムカタログ「OceanDNA MAGカタログ」を作成、公開しました！

西村陽介さんの超力作です！！！

海洋に生息する微生物の世界最高解像度のゲノム情報、それが「OceanDNA MAGカタログ」です！

このデータを使えば、ある機能遺伝子を持つ分類群はAとBで、西部北太平洋海域に多く、こんな代謝で生きている！みたいなことが分かります。

これまでの海洋観測を通して経験的に知っている『光合成微生物は表層に多い』という常識なんかも、光合成関連遺伝子の大規模鉛直分布から整合性を調べられますし、太平洋と大西洋にいる光合成微生物は同じなの？違うの？関連遺伝子も海域で違うの？などなど、多くの基礎的な疑問を解き明かすのに「OceanDNA MAGカタログ」が貢献できると期待しております！！！